テレビアニメ版を制作・放映する株式会社テレビ朝日とシンエイ動画株式会社は、作品を時代とともに呼吸する「終わらない日常」として位置づけている。5歳児の目線から大人の欺瞞や社会の機微を軽やかに突く構図は、もはや日本のアニメーション産業が誇るひとつの文化的インフラと言っても過言ではない。
時代背景に合わせてスマートフォンの登場や生活様式の変化を取り入れつつも、根底にあるファミリー・コメディとしての温もりは不変だ。サザエさん時空とも呼ばれる円環構造の中で、野原一家はいつの時代も変わらず春日部の街で笑い、喧嘩し、手を取り合って暮らしている。公式が意図して「最終回」を作らないことこそが、最大のメッセージなのだ。