組織を離脱し、堅気として再出発を図ろうとする元構成員たちの前に立ちはだかるのが、過去に失った指の存在だ。どれほど更生の意思を示しても、欠損した小指を目にした雇用主や取引先が警戒を解くことは容易ではない。身体に刻まれた傷痕が、社会復帰への最も高い壁となっている。
こうした状況を受け、精巧なシリコン製の「義指」を製作する職人への相談が後を絶たない。皮膚のシワや血管の浮き出方、爪の質感まで本物と見分けがつかないレベルで復元する技術は、元構成員が日常を取り戻すための命綱だ。各地の警察や暴力追放運動推進センターも、離脱者支援の一環として義指製作費用の助成や専門医の紹介を行い、社会復帰の後押しを急いでいる。