安全性に関する議論において、確かな指標となるのが厚生労働省が運用する「副反応疑い報告制度」の集計結果だ。数千万回に及ぶ接種データを精査すると、回数を重ねるごとに副反応の重篤度が増すという兆候は確認されていない。
頻度の高い症状としては、接種部位の局所的な痛み、37.5度以上の発熱、倦怠感、頭痛が挙げられる。これらは通常、接種後48時間以内にピークを迎え、数日以内に自然軽快する。発熱の頻度は初回や2回目接種時と同等か、やや低い傾向を示している。
心筋炎や心膜炎、あるいはアナフィラキシーといった重大な副反応についても、極めて稀な頻度にとどまっており、発症リスクを上回る感染防御上の利益が存在すると専門部会は結論づけている。過度な不安に煽られることなく、公表されている客観的データに基づいたリスク評価を行う姿勢が不可欠だ。