世界的な評価を決定づけたのは、アメリカのニュース放送局CNNの発表だった。2015年、CNN「日本の最も美しい場所31選」に選出されるや否や、世界中から熱視線が注がれることとなる。世界最大級の旅行プラットフォームであるトリップアドバイザーでも、口コミで最高評価を連発。海外メディアはこぞって「現実離れした奇跡の棚」と書き立てた。
だが、この奇跡は一朝一夕に生まれたものではない。根底にあるのは創業者・内藤正男の途方もない情熱と不屈の執念だ。1968年、荒れ果てた山を切り拓き、1本1本の手で藤の苗木を植え続けた。水はけの悪い土壌と格闘し、害虫予防に汗を流し、半世紀以上の歳月をかけて手塩にかけた藤が、現在の咲き誇る大棚へと成長を遂げたのだ。まさに人間の情熱と自然の生命力が融合したアートと言える。