この現象は、劇場やコンテンツの枠を超えて都市生活者の日常へと侵食している。都内のレンタルスペースやプライベートサロンでは、防音個室で一人思い切り涙を流すための「涙活(ルイカツ)ルーム」の利用率が急上昇しているという。
「家では家族の目が気になり、職場では気を張っていなければならない。完全に一人になり、声をあげて泣ける場所が欲しかった」
そう語る都内在住のIT企業勤務の女性(34)は、月に一度、このスペースを予約する。お気に入りの泣けるプレイリストや映像を流し、一時間ほど感情を吐き出す。その後の爽快感は、高級スパ以上だという。感情のケアが、ヨガやジム通いと同等の「セルフメンテナンス」として確立しつつあるのだ。