週末の夕暮れ時、新宿ReNYの周辺には開場を待つ若い女性たちの長蛇の列ができていた。色とりどりのブランドバッグやツアーグッズを手にした彼女たちの目的は、メジャーデビューを目指して活動するメンズ地下アイドルたちのライブだ。キャパシティ数百人から千人規模のライブハウスが連日満員になる光景は、もはや珍しくない。
この盛り上がりを力強く後押ししているのが、TikTokやSHOWROOMといったデジタルプラットフォームの存在だ。ライブハウスという閉ざされた空間でのパフォーマンスやファンとの親密なやり取りを切り取ったショート動画がTikTokで爆発的に拡散され、新たなファンを次々と呼び込んでいる。さらにSHOWROOMなどのライブ配信を通じて、ファンは日常的にメンバーとコミュニケーションを取り、課金アイテムを投げて「認知」を勝ち取ろうとする。日本のライブエンターテインメント産業が成熟期を迎えるなか、デジタルとリアルを緊密に結びつけた彼らのビジネスモデルは、驚異的な集客力と収益性を誇る一大市場へと進化を遂げた。