10歳を過ぎた老猫において、特に警戒すべき三大疾患が「慢性腎臓病」「甲状腺機能亢進症」「悪性腫瘍(がん)」です。なかでも慢性腎臓病は、10歳以上の猫の3頭に1頭、15歳以上では半数以上が罹患するとされる最も代表的な疾患です。
腎臓の組織は一度壊れてしまうと再生しません。血液検査の「クレアチニン(Cre)」や「BUN」の数値が上昇した時点では、すでに腎機能の約70%が失われているとされています。そのため、早期発見には以下のシニア猫における腎臓病の初期症状を日頃から見逃さないことが極めて重要です。
- 多飲多尿:尿を濃縮する機能が低下するため、尿の量が増え、色が薄くなります。それに伴い、水を飲む量が目に見えて増えます(体重1kgあたり1日に50〜60ml以上飲む場合は要注意)。
- 毛艶の消失と脱水症状:首の後ろの皮膚を軽くつまんで持ち上げ、戻りが遅い場合は慢性的な脱水状態に陥っている疑いがあります。
- 口臭の悪化:体内に老廃物が溜まることで、独特のアンモニア臭のような口臭が漂うことがあります。
現在では、従来の血液検査よりもはるかに早い段階(腎機能が約25〜40%失われた段階)で異変を検知できるバイオマーカー「SDMA検査」が普及しています。10歳を迎えたら、定期検診の血液検査項目にSDMAを追加することがスタンダードになりつつあります。