彼女の肉体表現が極限に達した作品として外せないのが、2014年公開の『百円の恋』です。自堕落な生活を送る32歳の引きこもり女性・一子がボクシングを通じて再生していく姿を描いた本作では、序盤の不器用で痛々しい百円の恋 濡れ場から、終盤の研ぎ澄まされたアスリートの肉体への変貌まで、驚異的なボディメイクが敢行されました。
わずか数週間の撮影期間のなかで、だらしない体型から引き締まったボクサー体型へと劇的な肉体改造を遂げたこの体当たり演技 評判は瞬く間に広がり、第39回日本アカデミー賞 主演女優賞をはじめとする国内映画賞を総なめにしました。当時のインタビューで安藤は「撮影中は役の感情と肉体が完全にリンクしており、羞恥心という概念そのものが存在しなかった」と語っており、過酷な濡れ場 撮影秘話からも彼女の凄まじいプロフェッショナリズムがうかがえます。
さらに2018年、是枝裕和監督の『万引き家族』では、底辺でもがきながら生きる家族の母・信代役を熱演。リリー・フランキー演じる夫との間に漂う濃密な生活感と生々しい夫婦の愛撫シーン、そして取調室で見せた涙の演技は、カンヌ国際映画祭の審査員長を務めたケイト・ブランシェットをして「彼女の泣きの芝居を観た瞬間、誰も敵わないと確信した」と言わしめるほどの万引き家族 演技評価を獲得しました。