現在でこそ名司会者・タレントとしての印象が強い中山秀征ですが、そのキャリアの原点は1985年に結成されたお笑いコンビ「ABブラザーズ」にあります。相方の松野大介とともに、渡辺プロダクションの若手お笑いタレントとしてデビューしました。
フジテレビの伝説的番組『夕やけニャンニャン』のレギュラーに抜擢されると、爽やかなルックスと軽妙なトークで爆発的なアイドル的人気を獲得。当時はファンが所属事務所に殺到し、ブロマイドが飛ぶように売れるなど社会現象を巻き起こしました。しかし、コントや漫才のネタ作りを深く突き詰めるタイプではなかったこともあり、第3次お笑いブーム(ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、野沢直子ら)の台頭とともに、お笑い界の勢力図から押し出される形となります。
コンビは1992年に事実上の活動休止(後に正式解散)を迎えました。その後、元相方の松野大介は小説家・ライターへと転身し、1996年には自伝的小説『芸人失格』で第1回文芸社決定版小説大賞を受賞するなど文筆の世界で確固たる地位を築きました。一方の中山はピンのタレントとして生き残りをかけ、徹底して「受け手」に回る司会術を磨き上げることになります。