安室透という男のパーソナリティを語る上で避けて通れないのが、FBI捜査官・赤井秀一との宿命の因縁、そして「警察学校組」と呼ばれる同期たちとの過去です。
安室と赤井の対立の根底には、かつて同じく黒の組織へ潜入していた公安の同僚であり親友のスコッチ(本名:諸伏景光)の死があります。スコッチが組織に正体を知られた際、自らのスマートフォンを破壊して秘密を守るために自決を選びました。その場に居合わせた赤井は、スコッチに逃亡を促そうとしていましたが、安室の足音を組織の追手と誤認したスコッチが引き金を引いてしまったという痛ましいすれ違いが存在します。安室は「赤井ほどの男なら自殺を阻止できたはずだ」という悔恨と疑念から、赤井に対して強烈な執着と憎悪を抱き続けています。
さらに切ないのが、警察学校時代の同期5人(降谷零、松田陣平、萩原研二、諸伏景光、伊達航)のうち、現在生存しているのが降谷零ただ一人という冷酷な事実です。
- 萩原研二:爆発物処理班として任務中、爆弾犯のトラップにより殉職。
- 松田陣平:親友・萩原の仇を追う中、観覧車で爆破予告場所を特定するために殉職。
- 諸伏景光(スコッチ):組織潜入中、身元露見を防ぐため自決。
- 伊達航:捜査一課で高木刑事の教育係を務める中、居眠り運転の車にはねられ事故死。
4人の同期が残した意志と警察官としての魂は、すべて降谷零の中に受け継がれています。彼がどれほど過酷な任務にあっても決して折れない強さの源泉泉は、先立った友たちの誇りを背負い続けている点にあります。