ここで改めて、店舗が歩んできたレストラン桃太郎の歴史と経緯を振り返ってみましょう。創業は昭和のモータリゼーション全盛期に遡ります。当時は幹線道路を行き交う長距離トラックのドライバーや、家族旅行の途中に立ち寄る行楽客の「オアシス」として産声を上げました。
高度経済成長期からバブル期にかけて、日本全国の幹線道路沿いには数多くのドライブイン型レストランが乱立しました。しかし、高速道路網の整備やコンビニエンスストアの台頭、ロードサイド型ファミレスチェーンの猛攻により、個人経営のドライブインは平成から令和にかけて急速に姿を消していきました。
その荒波の中にあって、桃太郎が暖簾を下ろさずに済んだ最大の理由は、「単なる通過点」から「地域住民が日常的に集うデスティネーション(目的地)」へと見事な転換を遂げたことにあります。冷凍食品に頼らず、手仕込みの定食を頑なに提供し続けた結果、親子三代にわたって節目ごとに訪れる強固な顧客基盤が形成されたのです。