萬来軒の券売機およびお品書きには、町中華の名残を感じさせる魅力的な品々が並んでいます。その中でも初訪問者から常連客まで圧倒的な支持を集める主力メニューの構成と、その味の構造を分析します。
何と言っても絶対的な主役は「中華そば」です。丼が運ばれてきた瞬間に立ち上る醤油の芳醇な香りと、艶やかに輝く脂の輪。特筆すべきは、厨房奥で仕込まれる自家製の平打ち縮れ麺です。一般的な尾道ラーメンで使用されるストレート平打ち麺よりもやや厚みがあり、手もみによる不規則なウェーブが施されています。この縮れがスープを驚くほど持ち上げ、噛みしめるとモチモチとした力強い弾力と小麦の甘みが口いっぱいに広がります。具材はシンプルながらも旨味が凝縮したチャーシュー、細めのメンマ、そして青ネギ。余計な足し算を排した潔い構成が、麺とスープの輪郭を際立たせています。
そして、常連客の約6割が中華そばと共に注文するのが「炒飯(チャーハン)」です。強火の中華鍋で一気に煽られた米粒は、外側がパラリとほどけ、内側はしっとりとした絶妙の火入れ。刻みチャーシューの香ばしい塩気とラードのコクが米一粒一粒をコーティングしており、中華そばのスープを合間にすする「反復横跳び」の快楽は、多くの訪問者を虜にする大きな要因となっています。
さらに、肉厚でジューシーなチャーシューが丼を覆い尽くす「チャーシューメン」や、つるりとした喉越しが心地よい「ワンタンメン」も熱烈なファンを抱えており、どの品を選んでも期待を裏切らないクオリティが担保されています。