赤塚不二夫とタモリの真実|白紙の弔辞と破天荒な居候生活の全貌

赤塚不二夫とタモリの真実|白紙の弔辞と破天荒な居候生活の全貌

赤塚不二夫とタモリの真実|白紙の弔辞と破天荒な居候生活の全貌に関する深掘り解説を分かりやすく解説いたします。

2008年(平成20年)8月2日、赤塚不二夫が肺炎のため72歳で逝去。同年8月7日に東京・中野区の宝仙寺で営まれた告別式において、タモリは恩人への弔辞を務めました。そこで語られた約8分間に及ぶスピーチは、日本放送史に残る名場面として広く知られています。

祭壇に向かったタモリは、静かに紙を取り出し、時折目を落としながら赤塚への感謝と敬意を切々と語りかけました。そして最後に紡ぎ出されたのが、あのあまりにも有名な一節です。

「あなたの考えは、すべての出来事、存在をあるがままに、前向きに肯定し、受け入れることです。それを受け入れることによって、人間は重い苦しい重圧から解放され、自由に生きることができる。(中略)私もあなたの数多くの作品の一つです」

この歴史的弔辞の直後、現場の報道陣やテレビ中継の映像から驚くべき事実が発覚します。タモリが手に持ち、視線を落としながら読み上げていた細長い巻紙には、文字が一切書かれておらず、完全な白紙だったのです。

後にこの「白紙の噂」についてタモリ自身が真相を明かしています。事前にマネージャーとともに文面を考えて紙に清書する準備をしていたものの、直前の混乱と極度の緊張の中で原稿を紛失してしまった、あるいは会場へ持ち込むのを忘れてしまったというのが物理的な事実でした。

しかし、白紙の紙を手にしたタモリは動じることなく、頭の中にある赤塚への想いをその場で紡ぎ出しました。用意された定型文を朗読するのではなく、目の前にある空白の紙を見つめながら、30年以上に及ぶ魂の対話をその場で言葉にしたからこそ、一切の淀みがない奇跡の弔辞が生まれたのです。虚構と現実を軽やかに飛び越えるこのエピソード自体が、まさに赤塚不二夫のギャグ精神を体現した瞬間でした。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。