実際にiPadから音声通話を行ったり、着信を受けたりするための具体的な設定手順を、主要な2つの方法に絞って解説します。
1. iPhoneの回線を利用する「他のデバイスでの通話」設定
手持ちのiPhoneとiPadが同じApple Account(Apple ID)でサインインしている場合、iPhoneにかかってきた通常の電話をiPadで受けたり、iPadからiPhoneの電話番号を使って発信したりできます。
【iPhone側の設定】
1. 「設定」>「電話」(または「モバイル通信」)を開く。
2. 「ほかのデバイスでの通話」をタップし、「ほかのデバイスでの通話を許可」をオンにする。
3. 通話を許可するデバイス一覧から、利用中のiPadをオンにする。
【iPad側の設定】
1. 「設定」>「FaceTime」を開く。
2. 「FaceTime」をオンにし、「iPhoneから通話」の項目が有効になっていることを確認する。
この設定が完了すると、iPadの「FaceTime」アプリや「連絡先」アプリから相手の電話番号をタップするだけで、iPhoneを経由してクリアな音声通話が可能になります。iPadOSの「メッセージ」アプリ経由で、iPhoneに届いた通常SMSを送受信することも可能になります。
2. iPad単体で固有の電話番号を持つ「050 IP電話サービス」の導入
iPhoneを持っていない場合や、iPad単独で外線発着信を行いたい場合は、IP電話サービスの導入が最も合理的です。
1. App Storeから「My 050」や「050 plus」などの公式アプリをインストールする。
2. 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)をオンライン提出し、アカウントを開設する。
3. 発行された「050-XXXX-XXXX」の番号を使い、アプリのダイヤルパッドから一般の固定電話や携帯電話へ発信する。
IP電話サービスを利用すれば、iPadが大画面の据え置き電話・多機能ビジネスフォンへと早変わりします。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
iPadにおける通話環境の構築は、利用者の生活スタイルや業務形態によって向き不向きがはっきりと分かれます。
▼ iPad通話の積極的活用が向いている人
・デスクワーク中心のビジネスパーソン:MacやiPadで作業中、スマートフォンを手に取らずにヘッドセットでそのまま通話・会議を行いたい人。
・Appleエコシステムに囲まれているユーザー:iPhone、iPad、Macを同一アカウントで統合し、シームレスな通信環境を作りたい人。
・テレワーク・固定電話の代替を求める個人事業主:低コストで050番号を取得し、iPadをオフィス用の電話機として兼用したい人。
▼ iPadでの通話運用に慎重になるべき人
・緊急通報(110/119)の確実性を求める人:単体で警察や救急に直接電話をかける手段が必要なシニアや単身者。
・WebサービスのSMS認証を頻繁に利用する人:データ専用SIMでは多くの2段階認証が通過できないため、スマートフォン本体の契約が必須となります。
・複雑な設定や複数アプリの使い分けが苦手な人:「電話アイコンを押して話すだけ」という直感的な操作のみを求める層には不向きです。