インターネット上の音楽フォーラムやSNSで毎年必ず巻き起こるのが、「なぜ過去のACCESS!オリジナル音源はサブスクリプションでいつでも聴けないのか」「なぜCDとして一般流通しないのか」という疑問です。この背景には、メジャーレーベル間の権利調整という極めて複雑なビジネス構造が存在します。
一般的な楽曲は1つのレコード会社が原盤権(マスターライセンス)を管理しますが、ACCESS!のユニットにはソニー、ユニバーサル、ワーナー、ビクター、ポニーキャニオン、トイズファクトリーなど、競合する複数のレコード会社から所属アーティストが参加しています。これらを恒久的に商品化・ストリーミング配信する場合、アーティスト印税、原盤権の按分、専属実演家契約の例外処理など、莫大な法務コストと契約上のハードルが発生します。
加えて、FM802側の意図的なメディア戦略も見逃せません。「ラジオをつければ流れてくる特別な音楽」というエアプレイのプレミアム価値を維持するため、あえて音源を無制限にバラまかず、期間を限定したストリーミング配信やTSUTAYAでの期間限定レンタルCDという手法を選択してきました。手に入らないからこそ、春のラジオからイントロが流れた瞬間の感動がリスナーの記憶に深く刻まれる設計となっています。