スクランブル化(Scramble)とは、テレビ放送の映像や音声信号に特定の規則(暗号化アルゴリズム)を施し、そのままでは正常に視聴できない状態にして送信する技術を指します。正規に契約した視聴者には、復号するための「鍵情報(デスクランブル・キー)」が配信され、受信機に内蔵されたB-CASカードやACASチップがその鍵を用いて瞬時に映像を復元します。
有料放送事業者であるWOWOWやスカパー!は、開局当初からこのスクランブル放送の仕組みを採用してきました。契約手続きを完了すると、放送衛星経由で受信機宛てに個別の有効化信号(EMM:個別管理情報)が送られ、暗号が解除されて番組が映し出されます。解約や未払いが起きれば遠隔で鍵の更新を停止し、即座に画面をブラックアウトまたは案内画面に切り替える制御が可能です。
地上波デジタル放送においても、すべてのテレビやレコーダーにACASチップが標準搭載されており、技術的な暗号化・復号のインフラ自体はすでに全国で完成しています。技術的なハードルはすでに存在せず、実施するか否かは純粋に「制度と政策の選択」にかかっています。