水着審査の廃止を巡っては、インターネット上でいくつか典型的な誤認が存在します。正確な実態を把握するために、代表的な3つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「世間からのクレームに屈して突発的に廃止した」という誤り
一部のネット掲示板などでは「フェミニスト団体からの抗議に耐えかねて日和った」といった見解が語られることがありますが、これは事実と異なります。ミス日本協会内部では2010年代前半から、出場者の成長プログラム(勉強会)の充実とともに、審査方法の近代化が長期的に議論されていました。国際的なコンテスト潮流を綿密に分析した上で、「ミス日本の目指す女性像」を再定義した計画的な組織改革です。
誤解2:「スタイルや外見の美しさは一切審査されなくなった」という誤り
「水着がなくなったから、もう体型は関係ない」という解釈も極端な誤りです。ミス日本は現在も「美の最高峰」を競う場であり、外見の美しさが選考基準から除外されたわけではありません。ただし、その定義が「生まれ持ったプロポーション」から、「食事管理、運動、姿勢教育を通じて自ら磨き上げた健康美」へとシフトしたに過ぎません。レギンスやタイトなトップスを着用するため、体幹のブレや筋肉の付き方はむしろ水着以上にごまかしが利かないのが実態です。
誤解3:「ミスコンにおけるルッキズム議論がこれで完全決着した」という誤り
水着を廃止したからといって、容姿を評価対象とするコンテストの根本的な是非(ルッキズム批判)が完全に解消されたわけではありません。後述するように、「なぜ外見と内面を同時に順位付けするのか」という社会構造的な問いは、依然としてメディアやアカデミズムの世界で議論が継続しています。