帰国後の加藤清史郎の快進撃は、多くのドラマファンや評論家を唸らせました。その決定打となったのが、2021年に放送されたTBS日曜劇場『ドラゴン桜』第2シリーズでの天野晃一郎役です。
優秀な弟と比較され、常に家庭内で劣等感に苛まれる内気な生徒。どこか自信なげに背中を丸め、視線を泳がせるリアルな思春期の苦悩を見事に演じ切りました。回を追うごとに東大専科の仲間とともに顔つきが精悍に引き締まっていくグラデーションは見事で、放送当時「あのこども店長が、これほど繊細な芝居をする俳優になっていたとは」とSNS上では絶賛の嵐が巻き起こりました。
さらに2023年のドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』では、クラスの空気を支配する黒幕的存在・相楽琉偉役を怪演。これまでの「誠実で良い子」というパブリックイメージを粉々に打ち砕く冷徹で歪んだ狂気を見せつけ、役者としての底知れないキャパシティを証明しました。
また、彼のルーツでもある舞台の世界でも躍進は止まりません。世界的な評価を受けた舞台『千と千尋の神隠し』ではハク役を務め、ロンドン・コロシアムでの長期公演にも参加。高校時代に培った完璧なクイーンズイングリッシュと現地の文化理解を活かし、現地のスタッフや観客ともダイレクトにつながる姿は、まさに10代の頃に思い描いた夢を現実のものにした瞬間でした。
現場スタッフからの評価も極めて高く、「幼少期から現場を知り尽くしているため、カメラの画角や照明の位置に対する理解が驚異的」「監督の要求に対するレスポンスが早く、引き出しの数が同年代の俳優と比べても圧倒的」と、制作陣からの全幅の信頼を獲得しています。