手足のバタつきそれ自体を恐れる必要はないものの、中枢神経系の異常や運動機能の障害が隠れていないかを総合的に確認しておくことは有益です。乳児期において、小児科医が運動発達を評価する際に着目するチェックポイントは以下の項目です。
- 手足の動きに明らかな左右差があるか:右手と右足ばかりを動かし、左側の手足はだらりと垂れ下がったままほとんど動かさないといった非対称性がないか。
- 筋肉の緊張が極端に強い、または緩慢すぎないか:抱っこしたときに身体が板のように硬く弓なりに反り返って抱きにくい、あるいは逆に筋肉の張りがまったくなく「こんにゃく」のようにぐにゃぐにゃしていないか。
- 親指を握り込んだまま開かない(皮質母指):生後3〜4ヶ月を過ぎても、親指を手のひらの中に強く握り込んだまま手を開く様子が見られない状態が続いていないか。
- 追視と社会的微笑(あやし笑い)が見られるか:生後2〜3ヶ月頃になっても動くものを目で追わない、親の顔を見て笑う反応が乏しいなどの感覚器・社会性の遅れがないか。
- 定型的な首すわりの発達:生後4〜5ヶ月を過ぎても頭のグラつきが全く改善せず、うつぶせにしても顔をわずかも持ち上げられない状態がないか。
上記のような兆候が単独ではなく複数重なって見られる場合、乳幼児健診(3〜4ヶ月健診など)において医師から精密検査を勧められることがあります。手足をバタバタさせる頻度や激しさそのものよりも、「四肢の緊張状態」「左右対称性」「精神運動発達の連動性」こそが医学的な判断基準となります。