法律上、金銭の支払者が受取者に対して発行を求める権利は、民法第486条に規定される「受取証書(受取証書の交付請求)」に基づきます。民法上は金銭の授受を証明するものであれば名称が「領収書」であろうと「レシート」であろうと法的な優劣はありません。手書き領収書とレシートの法的効力は同等であり、重要なのは「どのような取引情報が過不足なく網羅されているか」という点に尽きます。
手書き領収書と感熱紙レシートが持つ機能とリスクの差異を、実務データの観点から整理した比較が次の通りです。
ここで特筆すべきは、印紙税法における5万円以上のレシートの取り扱いです。印紙税は書類の名称ではなく「金銭または有価証券の受取書」という実質で課税判断が下されます。そのため、レジから出力されたレシートであっても、現金による税抜5万円以上の支払いであれば200円の収入印紙を貼り消印する義務が受取側(店舗側)に生じます。ただし、クレジットカード決済である旨が明記されている場合は、信用の供与による取引であり金銭の受領事実が発生しないため、5万円以上であっても印紙税は非課税となります。