多忙を極める現場で起きがちなのが、悪意のない危険物保安講習受け忘れです。「1日でも期限を過ぎたら資格がパーになるのか?」と青ざめる受講者も少なくありませんが、法的なプロセスは段階を踏んで進行します。
受講期限を過ぎた直後に免状が自動的に失効することはありません。しかし、管轄消防署による定期立入検査(査察)で未受講が判明すると、消防法第13条の2第5項違反として事業所に「是正指導書」や「勧告」が下されます。消防機関からの度重なる是正勧告を無視し、意図的に講習を受けずに放置し続けた場合、最終手段として都道府県知事から免状返納命令が発令されます。
一度でも返納命令を受けてしまうと、保持していた甲種・乙種・丙種すべての危険物取扱者資格を強制的に剥奪され、命令を受けた日から1年間は再受験すら認められません。危険物保安監督者に選任されていた人物が資格を失えば、施設全体の操業停止や保安監督者の解任命令など、企業活動に致命的な打撃を与える事態へと発展します。
万が一期限を過ぎてしまった場合は、隠蔽せず速やかに管轄の消防署予防課や地域の危険物安全協会へ相談することが鉄則です。直近で開催される危険物保安講習日程を確認し、速やかに受講の手続きを進めて受講証明書を提出すれば、行政処分を回避し是正指導の段階で解決できるケースが大半を占めます。