ご祝儀袋の準備で最も警戒しなければならないミスが、「薄墨(うすずみ)の筆ペンを使ってしまうこと」です。
薄墨が慶事でNGとされる理由には、日本の伝統的な弔事の儀礼が深く関係しています。お通夜や葬儀の香典袋に薄墨を用いるのは、「突然の訃報に驚き、流した涙で墨が薄まってしまった」「急いで駆けつけたため、墨を十分に磨る時間がなかった」という深い哀悼と悲痛の念を表現するためです。
これを結婚式や出産祝いなどの慶事で使ってしまうと、「お祝いの席に涙を落とす」「不幸を連想させる」という意味合いになり、受取人に対して著しく無礼な行為となってしまいます。市販されている筆ペンの中には、1本で「慶弔両用(黒と薄墨のツインタイプ)」になっている製品が多く流通しています。急いで書くあまり、キャップを開け間違えて薄墨側で記入してしまう失敗談が後を絶ちません。書く前に必ず試し書きを行い、「漆黒の濃い黒」であることを確認してください。