薬物療法と並び、透析を回避・遅延させるための双璧をなすのが生活習慣と食事管理です。日本腎臓学会が策定する診療ガイドラインでは、エビデンスに基づいた厳格な管理指標が示されています。
① 積極的な水分摂取
抗利尿ホルモンであるバソプレシンの分泌を抑えるため、心機能等に問題がない限り、1日あたり2.5〜3リットル程度の飲水を推奨。尿比重を低く保つことが嚢胞増大シグナルの抑制に直結します。
② 食塩摂取量の厳格な制限(1日6g未満)
高血圧は腎動脈を傷つけ、嚢胞の成長を加速させます。減塩を徹底し、必要に応じてARBやACE阻害薬を中心とした降圧薬治療で血圧を適正域(130/80mmHg未満、若年層ではさらに厳格な基準)にコントロールします。
③ 適切なタンパク質制限と体重管理
腎機能ステージに応じた適正なタンパク質摂取を守り、腎臓への濾過負荷を減らします。過度な肥満や脂質異常症の改善、禁煙の徹底も腎保護において決定的な役割を果たします。