結婚生活が10年目を迎えようとしていた2000年10月、列島を揺るがす衝撃の事件が起きます。山田三郎氏が覚醒剤取締法違反(所持・使用)の容疑で逮捕されたのです。
この時期は、1998年にリリースされたデュエット曲『二輪草』がミリオンセラーを突破し、川中美幸が「おしどり夫婦の象徴」として国民的な支持を集めていた真っただ中でした。華やかな表舞台の裏で起きた夫の不祥事に対し、世間やメディアからは容赦ないバッシングが浴びせられ、当然のように「即時離婚」「芸能界引退か」といった観測が飛び交いました。
しかし、逮捕直後に開かれた緊急記者会見で川中美幸が見せた毅然とした態度は、多くの人々の記憶に刻まれています。涙を浮かべながら深々と頭を下げた彼女は、記者の厳しい追及に対して次のように語りました。
「妻としての責任を痛感しています。でも、罪を犯したからといって、苦しんでいる夫を一人で突き放すことはできません。二人で罪を償い、一からやり直します」
周囲のマネジメント関係者や弁護士からは「歌手生命を守るために早期の離婚届提出」を強く勧められたとされますが、川中美幸はその選択肢を断固として拒否。執行猶予付きの有罪判決を受けた夫を温かく迎え入れ、実質的な更生プログラムを二人三脚で歩み始めたのです。