山梨の甲州ワインを語る上で欠かせない醸造技術が、フランス・ロワール地方発祥の技術を甲州種に応用した甲州シュールリー製法です。「シュール・リー(Sur Lie)」とはフランス語で「澱(おり)の上」を意味します。発酵終了後、発生した酵母の澱引きを行わず、翌年の春までワインを澱と一緒にタンク内で接触させておく技法です。
この製法を採用することで、自己消化した酵母からアミノ酸などの旨味成分がワインへと溶け出します。結果として、甲州特有の柑橘類を思わせるシャープな酸味と瑞々しさを保ちながら、深みのあるコクと心地よい苦味が調和した厚みのある味わいに仕上がります。いまや山梨甲州ワインのおすすめとして紹介される辛口ボトルの多くがこの製法を取り入れており、和柑橘のようなアロマと豊かな旨味のコンビネーションが抜群の完成度を誇ります。