岐阜県大垣市は、伊吹山系の豊かな伏流水に恵まれた水郷の町です。古くから川魚文化が栄えたこの地において、老鰻亭魚関の歴史は江戸末期から明治初期にかけての創業に遡ります。戦火や時代の激変を乗り越え、百年以上にわたって守り抜かれてきた「命のタレ」は、過度な甘みを排した芳醇なコクとキレを備え、脂の乗った鰻の旨味を最大限に引き立てます。
老鰻亭魚関の焼きの技術は、関東風の「蒸し」を入れずに備長炭の強火で一気に焼き上げる関西風の地焼きが基本です。皮目はパリッと香ばしく、身は驚くほどふっくらとジューシーに仕上げる火入れは、まさに熟練の職人技の結晶です。清冽な大垣の水でしっかりと泥抜きされた活鰻は特有の臭みが一切なく、清らかな後味を残します。歴史に裏打ちされた空間の美しさと確かな調理技術の融合こそが、岐阜のうなぎ名店として揺るぎない評価を獲得し続けている決定打です。