便秘解消や腸内環境の改善を期待してサイリウムを取り入れたにもかかわらず、かえって排便が止まり、激痛に見舞われるケースが散見されます。この逆転現象の背後には、腸内環境と腸管運動のミスマッチがあります。
第1に、サイリウム便秘悪化の理由として最も多いのが、腸内での水分枯渇です。サイリウムは腸に到達した後も周囲の水分を猛烈に吸収し続けます。水分補給が追いついていない状態で摂取すると、腸壁から水分を奪い、便の体積だけを急激に増やして石のように硬い塊へと変化させてしまいます。特に普段から痙攣性便秘(腸が緊張して細くなっている状態)を抱えている人が摂取すると、硬化した便が腸管を塞ぎ、排便困難に拍車をかけます。
第2に、サイリウム腹痛の原因となるのが、急激な腸管の過伸展とガス発生です。膨張したサイリウムが腸壁を物理的に内側から圧迫すると、鈍い差し込み痛や重苦しい胃痛が発生します。さらに、サイリウムが腸内細菌によって急速に発酵・分解される過程で大量の水素ガスやメタンガスが発生します。これがサイリウムとおなら膨満感の直接的な原因であり、「お腹がパンパンに張って苦しい」「恥ずかしいほど頻繁におならが出る」という苦情につながっています。
医学的研究においても、サイリウムの消化器系への作用には慎重な分析がなされています。慢性便秘に悩む患者15人(平均年齢63.7±3.2歳)を対象に、1日あたり合計21g(1回7gを3回)のサイリウムを10日間にわたって投与した研究データでは、便通改善が見られた一方で、被験者の血漿中におけるGOT(AST)やGPT(ALT)といった肝機能関連酵素の値がわずかに変動した事例が報告されています。短期間の大量摂取や身体への過度な負担は、単なる胃腸の不調にとどまらず、代謝系にも無視できない影響を及ぼす可能性があることを示唆しています。