「外食の混雑を避け、圧倒的な低コストで最高品質の肉をたらふく食べたい」。そうした内食派の砦となっているのが、食品スーパーや精肉専門店が仕掛ける特売戦争です。
代表格である肉のハナマサ肉の日セールは、プロの仕込みから一般家庭までを呑み込む異様な熱気に包まれます。黄色い看板が目印の同店では、29日当日になると「お肉屋さんのお惣菜」や「プロ仕様」の大容量パックが店頭を埋め尽くします。若鶏もも肉が100グラムあたり数十円台、国産豚バラスライスが通常価格の2〜3割引きで投売りされる光景は圧巻です。取材班が実際に都内店舗を定点観測したところ、開店直後からカゴいっぱいに牛肉ブロックや冷凍挽肉を詰め込む買い物客でレジ前には長蛇の列が形成されていました。
肉の日スーパー特売情報を俯瞰すると、ハナマサのような業務系スーパーだけでなく、イオン、イトーヨーカドー、ロピア、ライフといった一般量販店も29日専用チラシを投入していることが分かります。特に「ロピア」などの新興ディスカウントスーパーでは、A5ランク黒毛和牛のみなもと牛を原価ギリギリで投入する「肉の日特別対面販売」を実施するなど、百貨店レベルの肉を半額近い体感価格で提供する動きが定着しています。
外食でステーキや焼肉を食べれば1人あたり3,000円〜5,000円は下りませんが、スーパーの特売を攻略すれば、同等の金額で家族4人が上質なサーロインや霜降りカルビを心ゆくまで堪能できます。ホットプレートを囲む家庭内エンタメとして肉の日を再定義する動きは、生活防衛意識が高まる現代において最も合理的なアプローチと言えます。