短下肢装具を検討する際、最初に突き当たる分岐点が「金属支柱付短下肢装具」にするか、それとも「プラスチック製短下肢装具」にするかという素材・構造の選定です。両者の違いは単なる見た目や重量にとどまらず、足関節にかかる外力への抵抗力や、歩行時の重心制御メカニズムに根本的な差異をもたらします。
金属支柱付短下肢装具は、下腿の両側または片側に金属製(アルミ合金やステンレス、チタンなど)の支柱を配置し、足部を硬牢な革製アッパーや金属プレートで支える伝統的な構造を持っています。最大の強みは圧倒的な支持性と矯正力です。足首が強く内側へねじれ込む内反尖足や、体重をかけた瞬間に膝が後ろへ抜けてしまう反張膝(バックニー)など、重度の痙縮を伴う症状に対して強固なアライメント(骨配列)保持を実現します。一方で、総重量が800g〜1.2kg程度に達することや、靴の選択肢が専用の矯正靴などに制限される点が日常生活での課題となります。
対するプラスチック製短下肢装具は、熱可塑性樹脂(ポリプロピレンなど)を患者の足型に合わせて成形した一体型または半裁型の装具です。重量が250g〜500g前後と非常に軽量で、スニーカーの内側に滑り込ませて装着できるため、外見上の違和感が格段に少ないというメリットがあります。軽度から中等度の麻痺や、足先が上がらずにつまずいてしまう下垂足(ドロップフット)に対して絶大な効果を発揮します。ただし、激しい筋緊張に対してはプラスチック自体がしなってしまい、十分な矯正力を発揮できないリスクが存在します。