安全衛生責任者とは、複数の下請け企業が入り混じって作業を行う現場(混在作業現場)において、労働災害を防止するために下請け事業者(関係請負人)が選任する安全の担当窓口です。建設業 労働安全衛生法第16条にその根拠が明記されており、特定事業の現場で厳格な配置が定められています。
厚生労働省の通達や「元方事業者による建設現場安全管理指針」に示されている通り、安全衛生責任者の主な職務内容は以下の5点に集約されます。
- 統轄安全衛生責任者との連絡調整:元請の現場責任者と毎日行われる安全工程打ち合わせや作業内容のすり合わせを行います。
- 連絡事項の自社作業員への周知:元請からの指示や他工区の危険作業情報を自社の職人へ迅速・確実に伝達します。
- 混在作業に伴う危険防止措置:クレーンの旋回範囲や開口部付近など、他社との干渉による事故防止策を元請と協議します。
- 自社作業員の作業計画・配置の管理:自社の職人が無理な工程や危険な環境で作業しないよう、安全衛生の観点からコントロールします。
- 安全保護具の使用状況や機械設備の点検確認:フルハーネス型安全帯の着用状況や、使用する電動工具の点検記録を確認します。
実務担当者が最も頭を抱えるのが「安全衛生責任者 選任義務 人数」の判断基準です。「自社は3人しか入場しないから不要ではないか」という勘違いが散見されますが、法律の適用ルールは事業所単体の人数ではありません。元請が「統轄安全衛生責任者」を選任すべき現場(建設業では常時50人以上、ずい道や橋梁工事など一定の危険作業では30人以上)である場合、入場する下請け企業は作業員がたとえ1人であっても安全衛生責任者を選任しなければならないと定められています。