「受付開始から半日も経っていないのに、関東地方の会場がすべて満席で選べない」――出願期間の初日、X(旧Twitter)やベトナム人コミュニティのFacebookグループには、こうした焦燥と怒りの声が溢れ返ります。かつては締切期日まで誰でも申し込めたはずの試験で、なぜこれほど極端な早期締め切りが発生するのでしょうか。
背景にあるのは、主催者側が導入した「地域ブロック別の定員制(上限設定)」です。日本国内の試験運営を担う公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)は、近年の特定技能制度の拡大や留学生受け入れの回復に伴い、東京、神奈川、愛知、大阪などの大都市圏で借用できる大学・展示場といった試験会場のキャパシティが物理的な限界に達している現状を公表しています。座席数以上の出願を無制限に受け付けると、会場の確保不能や警備上の崩壊を招くため、各地域で厳格な定員上限が敷かれるようになりました。
これに拍車をかけているのが、受験者側の「防衛的な先回り行動」です。「希望エリアが埋まってしまう前に確保しなければならない」という心理が働き、初日の午前9時を回った瞬間に数十万人規模のアクセスがMyJLPTシステムに殺到します。これにより、JLPT受付終了早い理由の根本にある構造的要因――「物理的な会場不足」と「アクセスの集中による瞬時枠埋まり」という需給のミスマッチが毎年極限まで加速しているのです。結果として、遠隔地の会場しか残っておらず、東京在住者が山形や静岡まで新幹線で受験しに行かざるを得ないといった事態が常態化しています。