演出面だけでなく、キャラクター描写の濃密さも賛否を二分する要因です。とりわけ主人公の一条シン如月ルヰの接触シーンは、初見視聴者が「気持ち悪い」と感じやすい危険ゾーンとして知られています。
ルヰがシンの首元に口づけを落とし、涙を流しながらペンダントを託す場面など、二人の間に漂う空気感は極めて幻想的かつ扇情的です。物語の根底には重層的な運命の輪廻や切ない宿命が横たわっているのですが、文脈を把握していない段階では「男同士の過度なスキンシップを唐突に見せつけられた」と受け取られかねません。
男性向け美少女作品におけるファンサービスと同様、女性向け・ブロマンス作品における過剰な記号化は、ターゲット外の層にとって強いアレルギー反応を生む諸刃の剣です。シンが無垢であるからこそ、ルヰとの艶美なコントラストが生理的な生々しさを強調してしまい、拒絶のトリガーを引いてしまう側面は否定できません。