制度の仕組みを頭では理解していても、精神的・肉体的な療養生活の中で突きつけられる金銭的打撃は想像を絶します。SNSや知恵袋、労働相談窓口には、休職中の固定費負担に追い詰められた当事者からの悲痛な声が後を絶ちません。
「適応障害で出社不能になり、休職2ヶ月目に人事から届いた振込依頼書を見て愕然とした。給料は1円も入らないのに、社会保険料4万8,000円と住民税の合計7万円を今月末までに振り込めと書かれていた。休職で傷ついた心に、金銭的な追撃を食らった気分だった」(30代大手IT企業・元営業職の手記より)
労務管理専門メディア『キテラボ』や給与計算大手のレポートでも指摘されている通り、休職中の保険料未払いをめぐる労使間の摩擦は年々深刻化しています。休職者の精神状態が不安定な場合、会社からの請求連絡自体を「嫌がらせ」や「退職勧告のプレッシャー」と受け取ってしまい、連絡を断絶してしまうケースが頻発しているためです。
会社側も慈善事業ではありません。年金事務所に対する保険料の納期限は厳格であり、休職者1人の未払いを放置すれば会社全体の延滞金や滞納処分に繋がります。人事担当者側の証言でも「療養中の社員に金銭の催促連絡を入れること自体が大きな心労になっている」という苦悩が浮き彫りになっており、休職に入る初期段階で「いくら、いつ、どのように納入するか」の合意を形成しておく重要性が現場から強く叫ばれています。