コスト面で強力な威力を発揮する路線便だが、現場レベルでの運用ルールは近年極めて厳格化している。ドライバー不足に伴う荷役作業の負担軽減を目的として、業界全体で「パレット輸送」へのシフトが急速に進んでいる。
従来の路線便では、ドライバーが手作業でダンボール箱を1個ずつトラックに積み降ろす「バラ積み・バラ降ろし」が横行していた。しかし現在、西濃運輸や福山通運などの大手キャリアでは、手積み手降ろしを伴う大口荷物に対して割増料金を請求するか、集荷そのものを断るケースが増加した。標準サイズである「T11型パレット(1,100mm×1,100mm)」に製品をストレッチフィルムで強固に固定した状態での引き渡しが、事実上の業界標準になりつつある。
パレット輸送を導入する際、荷主が見落としてはならないのが「荷受側の受入設備」だ。パレット貨物はトラックから人力で降ろすことが不可能なため、配送先企業にフォークリフト、荷受用プラットフォーム、あるいはハンドパレットトラックが完備されていることが受領の必須条件となる。これらがない受取先へパレット貨物を発送すると、ターミナルで荷物がストップし、別途高額な横持ち手数料やチャーター便への載せ替え費用が発生する事態に陥る。
また、路線便には個体ごとのサイズ制限と重量規定が存在する。一般的な目安として、1個あたりの重量は「30kg〜50kgを超えるものはフォークリフト荷役可能なパレット化を要求」され、長尺物についても「長さ3m〜4mを超える貨物は取り扱い不可または特注対応」となるケースが通例だ。西濃運輸の「カンガルー特便」や福山通運の「フクツー便」といったブランドごとに規定の差はあるものの、都市部の狭小路地へ入る集配トラック(2t〜4t車)に積載できない大型貨物は、ターミナル止め(営業所止め)での引き取りを余儀なくされる。