スーパーマーケットや生花店の店頭に並ぶ「神棚用の榊」を観察すると、地域や季節によって葉の形や大きさが微妙に異なっていることに気付きます。一般に流通している榊には、植物学上の真正なサカキである「本榊(マサカキ)」と、その代用品として広く親しまれている「ヒサカキ(姫榊・非榊)」が存在します。さらに、絶対に混同してはならない仏事用の「梻(しきみ)」も含め、その特徴を客観的なデータで比較・整理しました。
現場取材において特に注意を喚起したいのが、榊と梻(しきみ)の見分け方です。外見が一見似ていることから誤認されやすいものの、梻は実・葉・茎・根の全体に神経毒「アニサチン」を含む有毒植物であり、植物としては唯一、毒物及び劇物取締法において「劇物」に指定されています。ペットや小さな子どもが誤食すると痙攣や意識障害を引き起こす極めて危険な物質です。また、梻は仏教寺院や墓前に供えるものであり、清浄を尊ぶ神道の神棚に供えることはタブーとされています。葉の縁が滑らかで、独特の強い薬草臭がないことを必ず確認してください。