SNSや美容コミュニティ(Xや知恵袋、LIPSなど)を精査すると、「ブラックヘッドを指で押し出して一時的にすっきりしたが、数日後に毛穴が余計に黒く広がった」「毛穴パックを剥がした後の角栓を見て快感を覚えていたが、数年後に取り返しのつかないみかん肌になった」という後悔の声が数多く確認できます。
都内の美容皮膚科クリニックでカウンセリングを担当する看護師や医師の臨床現場からの報告によると、小鼻の黒ずみを主訴として来院する20代〜30代女性の約6割に、「過剰なセルフケアによる皮膚の炎症性肥厚」や「慢性的な押し出し癖による毛穴壁の瘢痕化」が見られるといいます。白く飛び出た角栓をピンセットで無理やり引き抜く行為は、一時的な達成感をもたらすものの、直後に毛穴内部で微小な出血や組織破壊を引き起こしています。
さらに近年、スマートフォンの高画素インカメラや拡大鏡による「毛穴ディスモルフィア(過剰な毛穴不安)」に陥る人が急増しています。他者からは全く視認できない微細な毛穴の陰影を病的な黒ずみと思い込み、洗浄力の強すぎるスクラブ洗顔やピーリングを過剰に繰り返すことで、肌本来の細胞間脂質を削り落とし、結果的に皮脂の代償的分泌を招くという負のスパイラルに陥っている実態が浮き彫りになっています。