ラジエントヒーターとは?Ihとの違いと電気代「いらない説」の真相を検証

ラジエントヒーターとは?Ihとの違いと電気代「いらない説」の真相を検証

ラジエントヒーターとは?Ihとの違いと電気代「いらない説」の真相を検証の真相や最新動向に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

ラジエントヒーター(Radiant Heater)とは、耐熱セラミックガラスの天板下に渦巻き状のリボンヒーターやニクロム線を組み込み、電気抵抗によって赤熱させて熱を発生させる熱源装置です。電磁誘導の力で金属鍋そのものを自己発熱させるIH(Induction Heating)とは根本的に原理が異なります。

スイッチを入れると数秒から十数秒で円形の発熱体が鮮やかな赤色に光り出します。これは遠赤外線効果と仕組みが連動した物理現象であり、発熱体から生じる放射熱がガラス天板を通過して鍋底へ伝わる構造です。天板そのものが加熱され、その伝導熱と放射熱の双方が調理器具へ伝わります。

では、なぜ多くの住宅でIHクッキングヒーター中央部にこのラジエントヒーターが採用されているのでしょうか。大手ハウスメーカーの住宅設備選定に関わる関係者や機器メーカーの製品企画資料を分析すると、明確な2つの構造的理由が浮かび上がります。

第一の理由は「製品原価と販売価格の抑制」です。3口すべてを高出力なIHコイルで構成する「オールIH仕様」は、内部インバーター基板や冷却ファンの配置が複雑化し、機器本体価格が数万円から十数万円跳ね上がります。中央部を構造がシンプルなラジエントヒーターに置き換えることで、普及価格帯のシステムキッチンパッケージを魅力的な価格設定で供給できるという建材メーカー側の経済的合理性があります。

第二の理由は「IH非対応調理器具への救済措置」です。オール電化への移行期において、愛用していた土鍋やアルミ製雪平鍋、耐熱ガラス容器などを手放したくない消費者層に対し、「手前は強力なIH、奥の1口なら手持ちの鍋がそのまま使えます」という販売上のプレゼンを可能にする緩衝材の役割を果たしてきました。

木村 陽翔
著者

木村 陽翔

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。