難治化する逆流性食道炎の背景には、胃と食道の物理的な構造異常が隠れていることも多々あります。その代表格が食道裂孔ヘルニアです。
通常、胃と食道の境目は横隔膜の筋肉によって適度に締め付けられ、胃内容物の逆流を防いでいます。ところが加齢や肥満、背骨の湾曲などによって胃の一部が胸腔側へせり出してしまうと、下部食道括約筋(LES)の締まりが緩み、構造的に逆流が起きやすい状態が固定化してしまいます。
加えて、日常的な腹圧の上昇も見逃せません。長時間のデスクワークでの前かがみ姿勢、猫背、きついガードルやベルトの常用、過度な筋力トレーニングなどは、胃を外側から圧迫して中身を食道へと押し上げるポンプのような役割を果たしてしまいます。