国税庁が公表した最新の「民間給与実態統計調査」を精査すると、日本の給与所得者全体において年収600万円台に位置する層は全体の約6.5〜7.0%にとどまります。さらに年収600万円以上の層をすべて合算しても上位約22%に過ぎず、労働者の約8割が到達できていないのが偽らざる現実です。
世代別の落差はさらに鮮明です。厚生労働省の賃金構造基本統計や大手転職サービスの集計データによると、30代前半の平均年収は約410万〜430万円、30代後半でも約460万〜490万円前後で推移しています。つまり、30代の時点で年収600万円に達している人材は、同世代の平均値を100万円以上も引き離したトップ層に属します。
この格差を生み出している構造的要因は、個人の能力差だけではありません。所属する業界の「利益率」と「参入障壁」、そして企業の「給与テーブルの設計」に依存する部分が極めて大きいのが実態です。同じ労力を投じても、薄利多売の構造から抜け出せない業界では年収400万円台で頭打ちとなり、高収益体質の大手企業や手数料ビジネスを展開するセクターでは30代前半で自然と600万円の大台を突破します。