推し活カルチャーがマス層へ浸透する一方で、SNSや大手掲示板、知恵袋などでは「本人不在の誕生日会は痛い」「当人がいないのに騒いでいて気持ちが悪い」といったネガティブな言説が散見されるのも事実です。こうした批判が生まれる背景を検証すると、単なるカルチャーへの無理解だけでなく、一部の利用者が引き起こす現実的なマナー違反に対する反発が存在することが分かります。
ネット上で問題視されやすい典型的な事例は以下の3点に集約されます。
第1に、公共空間でのマナー逸脱です。一般のファミリーや一般客が利用するカフェやレストランの座席で、大量のアクスタやぬいぐるみ、うちわをテーブルいっぱいに広げ、立ち上がって長時間の撮影会を行う行為は、周囲に強い不快感を与えます。飲食店はあくまで食事を楽しむ場であり、撮影スタジオではありません。装飾を伴う鑑賞会は、完全に仕切られたホテルやレンタルスペースで行うのが暗黙の境界線です。
第2に、会場の器物損壊・原状回復トラブルが現場で深刻化しています。レンタルスペース運営会社への聞き取り調査によると、「壁紙に強粘着の両面テープでバルーンを貼り付けてクロスを剥がした」「ケーキの着色料入りクリームをソファにこぼしたまま放置した」といったトラブルによる損害賠償請求が後を絶ちません。マスキングテープであっても壁紙の材質によっては剥がれの原因になるため、備え付けのピクチャーレールやカーテンレールを活用し、直接壁面を傷つけない工夫が求められます。
第3に、権利意識の欠如です。推しの顔写真を拡大コピーして自作の大型パネルを作ったり、著作権法上グレーな非公式グッズを大量に並べた写真をオープンなSNSアカウントで拡散する行為は、外部からの冷ややかな視線を招く主因となります。愛好家コミュニティの品位を守るためにも、公式グッズを主軸に据え、私的使用の範囲を逸脱しない節度ある姿勢が不可欠です。