ネット上のまとめ情報の中には、技術的な根拠を欠いた誤解も少なくありません。現場のプロが指摘する代表的な2つの盲点を是正しておきます。
盲点1:「100均の電池はすぐに切れる・液漏れする」という言説の真偽
ネット上では「100円ショップの電池は品質が低く、時計を壊す」という意見が散見されますが、現在国内の主要100円チェーンで流通しているリチウムボタン電池(CRシリーズ)や酸化銀電池(SRシリーズ)の多くは、国内大手メーカーのOEM品や厳格な品質基準をクリアした製品です。使用推奨期限内であれば、通常用途で極端な液漏れを起こすリスクは極めて稀です。ただし、長期保管された古い在庫や、サイズ互換だからといってアルカリボタン電池(LR44等)を酸化銀電池(SR44等)の指定箇所へ代用すると、放電電圧の低下カーブの違いから動作不安定を招くため、指定通りの型番規格を守ることが絶対条件となります。
盲点2:「動かない=電池切れ」という決めつけ
特にアナログモデル(MQ-24等)において、新しい電池を入れても秒針がピクピクと震えるだけで進まないケースがあります。これは電池の不良ではなく、長期間の静止によるステップモーター内部の油切れや輪列(歯車)の固着が原因です。この場合、リューズを引いて針を何度か早送りで回したり、時計全体を手のひらで軽く叩いたりすることで油の油膜が動き、再び正常に運針を始めることがあります。動かないからとすぐに諦めて破棄するのは早計です。