リスクを理解した上で、「退去予定のない持ち家であり、多少のアラは気にしないから目立たないように塞ぎたい」というケースにおいて、最も失敗率を下げる木部用穴埋めパテの使い方手順を解説します。作業の成否は、充填そのものよりも下準備と色合わせにかかっています。
ステップ1:傷口のバリ取りと完全脱脂
えぐれ傷の縁にあるめくれ上がった木屑やコーティングの破片を、カッターナイフの刃を垂直に当てて慎重に削り落とします。その後、アルコール消毒液などで傷内部の皮脂や油分を拭き取り、完全に乾燥させます。油分が残っているとパテが密着せず、後からポロリと脱落します。
ステップ2:マスキングテープによる厳重な境界保護
傷の輪郭からわずか1ミリ外側を囲むように、マスキングテープを四方に貼ります。これにより、余分なパテが周囲の健全な木目に付着するのを完全に防止します。
ステップ3:多段階充填と調色の極意
ダイソーなどの単色パテをそのまま流し込むのはNGです。床色よりも「わずかに明るい色」をベースに選び、少量の濃色パテをヘラの上で練り混ぜて近似色を作ります。肉痩せを見越して、傷の深さの半分まで充填して約3時間〜6時間乾燥させた後、2回目に表面よりわずかに盛り上がる程度に重ね塗り(2度埋め)を行います。
ステップ4:水拭きレベリングと木目の手描き補正
完全に硬化しきる直前(半乾きの状態)に、硬く絞ったメラミンスポンジや濡れ雑巾で盛り上がりを平滑に均します。完全硬化後、単色で不自然に浮いているパテ表面へ、100均でも手に入る極細のアルコール系家具補修マーカー(薄い茶色やグレー)を使い、途切れた「木目の線」を点線状に描き足します。最後に指先で軽くぼかすことで、目の錯覚を利用して周囲に溶け込ませることが可能になります。
なお、プロのリペア職人が現場で使用するのは、パテではなくハードワックスによるフローリング補修です。電熱コテで専用の高耐久ワックスを溶かし込み、数秒で冷却硬化させながら複数色を折り重ねて木目を再現するため、肉痩せゼロで高い耐摩耗性を実現しています。最近では、フローリングえぐれ傷補修2026年最新グッズとして、一般向けにも小型の電熱式リペアキットが量販店等で普及し始めています。