ここまでの科学的知見を統合し、初心者でもお店クオリティのとろとろ角煮を確実に再現できる「失敗しない手順」をステップ順に整理します。
【ステップ1:切り分けと下茹で加圧】
豚バラブロック肉(約600g)を4〜5cm四方の大きめの角切りにします。加熱すると肉は一回り縮むため、大きめに切るのが見栄えを良くするコツです。圧力鍋に肉、長ネギの青い部分(1本分)、薄切り生姜(1〜2片・約15g)を入れ、肉が完全に水没するまで水(約1000ml)を注ぎます。フタをして強火にかけ、ピンが上がって圧力がかかったら弱火にして20分間加圧します。火を止めたら、ピンが完全に下がるまで自然減圧(約15分)させます。
【ステップ2:肉の洗浄と茹で汁の処理】
フタを開け、豚肉をトングで優しく取り出し、ぬるま湯を張ったボウルの中で肉の表面についた余分な脂カスやアクをさっと洗い流します。このひと手間で仕上がりの雑味が完全に消え去ります。圧力鍋の内釜も一度水洗いして綺麗にします。なお、鍋に残った下茹で汁は捨てずにボウルに取り置き、粗熱を取って冷蔵庫で冷やすと、上部に純白のラード(白脂)が固まります。この脂を取り除いた澄んだスープは、後工程の水分や極上のラーメンスープとして再利用可能です。
【ステップ3:黄金比タレによる本煮込み加圧】
綺麗にした圧力鍋に、洗った豚肉、黄金比の調味料(醤油・みりん・酒各大さじ4、砂糖大さじ2)、そして下茹で汁(または水)250mlを注ぎます。好みに応じて、新しくスライスした生姜を数枚加えるとさらに香味が引き立ちます。フタをして再び中火にかけ、加圧状態になったら弱火で12〜15分加圧します。加熱終了後は再び火を止め、急冷せず自然にピンが下がるのを待ちます。
【ステップ4:煮詰めと「冷まし」による味の定着】
ピンが下がったらフタを開けます。ここで好みのゆで卵(半熟にして殻を剥いたもの)や、下茹でした大根を投入します。弱めの中火にかけ、スプーンやお玉で肉の上に煮汁を優しく回しかけながら、煮汁にとろみと照りが出るまで5〜8分ほど煮詰めます。火を止めたらそのままコンロの上で冷まし、粗熱が取れるまで休ませれば、箸で持ち上げただけでホロリと崩れる極上の豚の角煮が完成します。