段ボールの底を閉じる際、中央の合わせ目に1本貼り、その中央に直角にもう1本交差させる「十字貼り」。多くの人が無意識に行っているこの手法に対し、近年梱包資材メーカーや配送関係者から「十字貼りは過信できない」という警告が発せられています。
なぜ十字貼りが危険視されるのか。その最大の理由は「短辺フラップのたわみ」と「密閉性の欠如」にあります。段ボールの底面は、内側の短いフラップ2枚の上に外側の長いフラップ2枚が重なる構造です。十字貼りで中央に縦横のテープを交差させても、箱の長辺方向の隙間は塞がれますが、短辺の両端にある隙間は完全に開いたまま放置されます。箱の中に書籍や食器などの重量物を詰めると、荷重が集中した底面の内側フラップが下方向へ押し広げられ、固定されていない短辺から箱全体が歪んでガムテープの中央交差点に強い引き裂き荷重がかかります。
運送大手各社が公表している輸送テストデータでも、中央の十字交差部分は振動や衝撃が加わった際に最も摩擦で浮きやすく、一度交差点の粘着が浮くと連鎖的にテープ全体が引き剥がされる現象が確認されています。軽くてかさばる衣類程度であれば十字貼りでも耐えられますが、10kgを超える荷物に対して十字貼りを用いるのは、自ら底抜けのリスクを背負い込んでいると言わざるを得ません。