宮崎のチキン南蛮を語る上で欠かせないもうひとつの巨塔が、宮崎市を中心に展開する「味のおぐら」です。旅行者の間では「直ちゃんとおぐらはどちらが本物なのか?」という疑問が度々持ち上がりますが、直ちゃん おぐら 違いは対立ではなく、同じルーツから枝分かれした「進化の方向性の違い」にあります。
おぐらの創業者である甲斐照幸氏も、実は直ちゃんの創業者と同じく延岡の洋食店「ロンドン」で腕を磨いた料理人でした。独立後、延岡に「おぐら」を開いた甲斐氏は、洋食レストランとしての華やかさを演出し、子どもから大人まで親しみやすい味を目指してタルタルソースをかけるスタイルを考案。これが宮崎市へ進出する中で大ヒットを記録し、全国へと「タルタルソース付きチキン南蛮」が広まる契機となりました。
発祥のまかないの味を洗練させ「素材と甘酢の調和」を突き詰めた直ちゃんと、洋食のエッセンスを加えて大衆の心を掴んだおぐら。どちらが優れているかではなく、二つの異なる哲学が宮崎の豊かな食文化を築き上げています。