キー局の春や秋の改編期を迎えるたび、業界内でまことしやかに囁かれるのがベテランアナウンサーたちの人事異動や去就に関する情報だ。とりわけ、NHKアナウンス室のなかでも実力派として定評のある小郷知子に関しては、定期的な組織改編のたびにさまざまな噂が飛び交ってきた。一部で噂された外部プロダクションへの移籍やフリー転身説だが、取材によれば、彼女の本質は常に「現場での良質な情報伝達」に置かれている。
現在の放送業界を取り巻く環境は、かつてないほど急速に変化している。若手の登用が相次ぐ一方で、緊迫したニュース現場で一瞬の状況判断を求められる報道番組では、確かなアナウンス技術と落ち着きを持った人材への需要がむしろ高まっているのが現実だ。マスメディアの信頼性が問われる現代だからこそ、彼女の存在は組織にとっても視聴者にとっても欠かせないアンカーとなっている。