山本學の俳優人生を語る上で絶対に外せないのが、1978年にフジテレビ系列で放送されたドラマ『白い巨塔』における里見脩二(修二)助教授役です。山崎豊子の同名小説を映像化したこの作品は、日本のテレビ史に燦然と輝く最高傑作の一つとして知られています。
田宮二郎演じる野心に満ちた外科医・財前五郎と、山本學演じる医学の良心と真理を愚直に追究する内科医・里見修二。対極の価値観を持つ2人の医師が激突するシーンの緊迫感は、今見ても息をのむ迫力があります。
当時、鬼気迫る情熱で財前役に没頭していた田宮二郎を、山本學は静かな包容力と確かなリアリズムで受け止め続けました。「財前が光であるなら、里見は影。しかし、影が深くなければ光の強さは際立たない」という関係性を完璧に構築したからこそ、作品は伝説となりました。放送から半世紀近くが経過した現在でも、「理想の医師像」として山本學の里見役を挙げる医療従事者は後を絶ちません。