ネット上で「新型エクストレイルはひどい」と語られる際、感情的なバッシングだけでなく、構造的な問題や仕様変更に伴う現実的なギャップが複数存在します。数多くの試乗データやユーザー調査から浮き彫りになった5つの主要因を掘り下げます。
第1の要因は、車両本体価格の高騰とオプション設定の複雑さです。先代T32型が200万円台半ばから手に入る大衆的SUVだったのに対し、T33型はエントリーグレードでも350万円超、売れ筋の「G e-4ORCE」に純正ナビや先進安全装備、専用レザーシートなどを追加すると、支払総額は500万円台半ばに達します。この急激な価格シフトに対し、「日産のミドルサイズSUVにここまでの金額を出す価値があるのか」という心理的抵抗が「高すぎる」という批判に直結しています。
第2の要因は、VCターボ×e-POWERの燃費性能と燃料指定です。カタログスペック(WLTCモード)では約18.4〜19.7km/Lを誇るものの、市街地でのストップ&ゴーや冬季の暖房使用時には実燃費が11〜13km/L前後まで落ち込むケースが報告されています。さらに、1.5L VCターボエンジンがプレミアムガソリン(ハイオク指定)であるため、近年の燃料高騰下において「ハイブリッドなのに維持費が安くならない」という落胆を生んでいます。
第3の要因は、過去に発生した長期納期と相次ぐ受注停止の爪痕です。発売直後の半導体不足やサプライチェーン混乱により、納車まで1年以上を要した時期があり、途中でグレード整理や価格改定が挟まったことで購入検討層の不信感を招きました。2026年現在は供給体制が正常化し納期も落ち着きを見せていますが、当時の混乱したイメージが根強く残っています。
第4の要因として、一部の内装パーツに見られる質感のばらつきが挙げられます。12.3インチの大型ディスプレイや上質なシフトコンソールを採用する一方で、ドアトリム下部やシート側面のハードプラスチック、スイッチ類の操作感などにおいて「500万円クラスの内装としては安っぽい」と指摘される場面が散見されます。
第5の要因は、プロパイロットや先進インフォテインメントの誤作動・電装系トラブルに対する不安の声です。車線維持支援の制御が過敏に介入するケースや、NissanConnectナビの通信エラー、メーターディスプレイの一時的なブラックアウトなど、ハイテク満載ゆえの初期不具合がSNS等で拡散されたことが評価を押し下げる要因となりました。