多くのネットユーザーが抱く最大の誤解は、「ノノノノに公式のアニメ主題歌やキャラクターソングが実在する」という思い込みです。公式発表の記録を遡ると、漫画『ノノノノ』は集英社「VOMIC(ヴォイスコミック)」での音声ドラマ化こそ実現しているものの、一度もテレビアニメ化されていません。したがって、レーベルから公式発売されたアニメ主題歌や公式挿入歌は一枚も存在しないのが決定的な客観的事実です。
それにもかかわらず楽曲のイメージが強く定着した理由には、原作者である岡本倫氏の代表作『エルフェンリート』の存在が密接に関わっています。同作のアニメ版オープニングテーマ『LILIUM』(リリウム)は、ラテン語の聖歌調コーラスとして国内外で神格化された名曲です。「岡本倫作品=圧倒的完成度を誇る象徴的な楽曲がセット」というアニメファンの記憶の刷り込みが、「ノノノノにもあの水準の歌があったはずだ」という記憶の変容を誘発しました。
さらに、動画黎明期から2010年代にかけてニコニコ動画やYouTube上に投稿された「ファンメイドMAD動画」の存在が拍車をかけました。有志のクリエイターが『ノノノノ』の名場面のコマ割りに合わせて既存のエモーショナルな洋楽やJ-POP、ボーカロイド楽曲を載せた映像作品が多数出回り、鑑賞者が「これが公式のテーマ曲・イメージソングである」と無意識に錯覚した形跡がログ解析から確認できます。