多くの視聴者が息を呑んだのが、黒柳徹子の代名詞である「たまねぎ頭」を独自に再解釈した特大のヘアスタイルと、そこから繰り出されたサプライズ演出でした。
対談の冒頭、ガガはおもむろに自身の巨大なヘアウィッグの側面に手を差し入れ、中からそっと飴玉(キャンディ)を取り出して黒柳徹子へと手渡しました。黒柳徹子が長年にわたりゲストへ飴をプレゼントしてきた名物演出を、ゲスト側から逆に行うという前代未聞のパフォーマンスです。この瞬間、黒柳徹子は「まあ!私と同じじゃない!」と歓喜の声をあげ、スタジオは温かい笑いと感動に包まれました。
さらに視線を集めたのが、彼女の足元を支えていた超厚底ブーツです。踵(ヒール)が存在しない構造で、高さはおよそ40センチメートル以上。この構築的なシューズを手掛けたのは、当時まだ新進気鋭だった日本の若手アーティスト・舘鼻則孝(たてはな のりたか)氏でした。日本の伝統的な花魁(おいらん)の高下駄から着想を得たヒールレスシューズを身にまとうことで、ガガは日本の伝統工芸と現代アートの融合を世界に向けて強烈にアピールしたのです。
奇抜に見えるビジュアルの細部に至るまで、徹底した「日本文化への敬意」と「黒柳徹子という巨星へのオマージュ」が込められていた事実こそ、この回が単なるバラエティを超えた芸術的対話と評される最大の理由です。